2022.05.07
FXの自動売買の検証で分かる重要なこと3選
こんにちは、元金融機関のプロ為替ディーラー沖縄トレード学院学院長の新里竜一です。
当学院ではFXの取引を自動化するためのプログラミングの技術をお伝えしておりますが、FXの取引を自動化する以外にも『過去検証』があっという間にできるというメリットがあります。
今回はFXの取引を自動化する前の検証で分かる重要なこと3選をお伝えします。
レポートで分析する
FXの取引を自動化する前に、自動化しようとしている取引方法が有効かどうかを調べる必要があります。(有効ではない取引方法を自動化してもお金は減るだけです)
FXの自動売買は主にメタトレーダーを使って作成しますが、メタトレーダーの機能にストラテジーテスターというものがあります。ストラテジーとは和訳で戦略というような意味ですが、FXの戦略をテストする機能ということです。
その機能を使うと、下記のようなレポートを出すことができます。
このレポートは、ボリンジャーバンドの2シグマで売買するというポピュラーな手法を検証した結果です。
右肩上がりのグラフは、2021年の5月から2022年の5月まで、淡々とこの取引を繰り返すと利益になっていたということを表しています。
今回は、ユーロドルの5分でボリバンの設定は40です。今回は特別に公開しておりますが、通常は具体的な手法やパラメーターは公開されませんので重要な5選には含みません。
重要なこと3選
①売買回数・・・売買回数は多い方が良いと思われがちですが、多すぎると無駄な売買が混じっている可能性があります。売買回数が少ない場合は信憑性の問題があります。1年で10回で10万円の利益と100回で10万円の利益の場合、回数が多い方が『偶然』という可能性が低くなります。
②勝率・・・勝率が低くても1回の利益の幅が大きければ、最終的に利益が残ります。しかし料率が低いとメンタルが持たなくなります。これは裁量よりもメンタルの影響が少ない自動売買でも影響が出るところです。勝率が悪いと途中で自動を止めたりしてしまうのである程度勝率が必要です。
③証拠金最大ドローダウン・・・『取引中にいったいいくらまでお金が減ったか』という金額が分かります。今回のレポートでは、約5万6千円の証拠金最大ドローダウンとなっています。この手法は約1年で約10万円の利益が出たという結果になっておりますが、その10万円の利益は約5万6千円の損失を乗り越えた結果ということですので、途中で少し損失になったからと言って感情的になって辞めてしまってはダメだということです。
検証結果から計画を立てる
ここまでお伝えした内容はほんの一部ですが、FXの自動売買を作成する過程で過去検証ができ、数字をもって手法の有効性を判断することができます。
今回のような簡単なボリンジャーバンドの手法であっても、手動でチャートを遡って検証するのは時間と手間がかかる作業です。いろんな手法を考えては調べるということを繰り返してしっかりと取引の計画を立てたいのであれば、作業はなるべくコンピューターに任せて、手法を考えるという頭を使うことに集中できるようにした方が効率的です。
FXの自動売買は、調べる → 形にする → 自動化する が簡単にできます。もし、FXでお金と時間を増やしたいというのであれば必須のスキルと言えるでしょう。
沖縄トレード学院
学院長 新里竜一
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FX会社大手の金融機関「外為どっとコム」で為替のプロディーラーとして約7年間勤務。世界の銀行を相手に毎日数百億円の取引を行う。
現在は沖縄トレード学院の学院長として、数百の自動売買システムで検証した再現性ある投資手法を「一生使える投資の技術」として延べ800名以上の受講生に伝え続けている