2022.08.04
FX投資の通貨ペアで効果的なポートフォリオは組めるのか?
こんにちは、元金融機関のプロ為替ディーラー 沖縄トレード学院 学院長の新里竜一です。
以前お伝えした投資の3原則「長期・積立・分散」の「分散」に当てはまるポートフォリオ。株式投資とFX投資、国債投資とFX投資など他の金融商品と組み合わせるのは一般的ですが、FX投資の中でポートフォリオを組むことはできるのでしょうか?またポートフォリオは有効なのでしょうか?
FX投資の中の通貨ペアの観点からポートフォリオについて解説します。
理想的なポートフォリオは
まず、ここでお伝えするポートフォリオの意味ですが『分散して相互作用でリスクを抑え、リターンを伸ばす』です。
下記のようなイメージです。
Aが+10万
Bが-5万
または
Aが-5万
Bが+10万
この状態だと1つが損失でも、もう1つが利益でカバーし合えます。
通貨ペアで分けると効果的か?
通貨ペアで分けるだけで理想のポートフォリオになるかというと非常に難しいです。
まず、リスク分散にはならない組み合わせをお伝えします。
・オーストラリアドル買い/円売り
・ニュージーランドドル買い/円売り
この場合、通貨は分けてますが同じオセアニア通貨で、どちらも円売りです。オーストラリアドルとニュージーランドドルは同じ動きをする特性がありますので、どちらも買いだと下落した時にはどちらも損失になってしまいます。リスク分散という観点ではあまり効果はありませんが、逆に利益を狙いにいくなら有効です。
下記は通貨を分けてもリスク分散とならない例です。
・ドル買い/円売り
・ユーロ売り/ドル買い
ドル円とユーロドルは逆の動きをすることが多いのですが、この場合はどちらもドルを買っているので
ドル円上昇・ユーロドル下落 = 利益
ドル円下落・ユーロドル上昇 = 損失
となります。
もし相関性が薄い通貨ペアでオートフォリオを組むならドル円、ポンドオーストラリアドルのような異なる大陸の通貨ペアの組み合わせになります。
しかし、必ずしもドル円とポンドオーストラリアドルの値動きが自分にとって有利な方向に動く、もしくは損失をもたらさないということはありません。
また上記でお伝えした、オセアニア通貨のセット買いやドル円とユーロドルの逆取引も売買のタイミングによって損失を抑えて利益を伸ばすことができますし、1つの通貨ペアでも手法を分けることでポートフォリオを組むことができます。
今回は少し長くなりましたので、次回、手法を分けてポートフォリオを組むについて解説したいと思います。
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FX会社大手の金融機関「外為どっとコム」で為替のプロディーラーとして約7年間勤務。世界の銀行を相手に毎日数百億円の取引を行う。
現在は沖縄トレード学院の学院長として、数百の自動売買システムで検証した再現性ある投資手法を「一生使える投資の技術」として延べ800名以上の受講生に伝え続けている